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カリエスリスク

むし歯(カリエス)が新たにできる、あるいは、むし歯がさらに進む危険性(リスク)、つまり、むし歯のなりやすさをカリエスリスクといいます。カリエスリスクは、むし歯をつくる因子と、それらに抵抗し歯を保護する因子のバランスで決まるので、両者を評価して判定されます。 むし歯をつくる因子で最も重視されるのが、唾液だえきまたは歯垢中のむし歯原因菌(ミュータンス連鎖球菌れんさきゅうきんおよび乳酸桿菌にゅうさんかんきん)の量です。また、歯垢の付着量が多く、間食を含む飲食の回数が多いほどリスクが高まります。 一方、これらに対抗する最も重要な因子は唾液です。唾液の分泌量が多く、その緩衝能かんしょうのう(酸性を中性にもどすはたらき)が強いほど、むし歯を避けることができます。また、フッ化物の応用頻度が高いと、唾液による初期むし歯の自然治癒(再石灰化)が格段に進みます。 実際には、これらのほか、過去のむし歯経験やブラッシングなど生活習慣を考慮して、歯科医師が総合的にカリエスリスクを判定します。